上海十月

少年の上海十月のレビュー・感想・評価

少年(1969年製作の映画)
4.5
大島兄弟の本を読んだので、一番心情的に良かったと思う本作を見直す。カラーのギラギラ感が仙元誠三とすぐわかる。犯罪をする家族をロード・ムービーとして描く。最初は、継母がやっていた当たり屋、子どもにさせようと父親は、考えている。家出をして一人でさびしくなったのか、家族の下に戻り当たり屋家業を頑張ろうとする。父親のあまりの無責任さにあきれるし、家族という狭い空間で縛られ始め、継母と少年の間では、共犯関係ができ父親抜きで仕事をし始める。後半の渡辺文夫が裸になった縦断と左手の不自由を少年に言うシーンは、奥に日の丸と遺骨のピラミッドがあり無理やりの戦争の被害者代弁を始めるのが唐突だったのを良く覚えている。個人の記憶としてここで殺人事件が起こったと完全に記憶違いしてましたね。そんなことも無く、大阪に当たり屋辞めて、家を構える。宇宙人と怪獣の話を弟にして精神のバランスを保っている。そして、誰も助けが来ないことを雪だるまと死んだ女性の長靴を付けた雪だるまに爆発させることが悲しくもあり高度成長の中で見捨てられた人々の悲しみを大島渚が叙情的に描き成功していると思います。大島渚の優しさが出た作品。(内容ひどいですが・・・)
上海十月

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