このレビューはネタバレを含みます
ヨハン・グリフィズが奴隷貿易廃止を目指す政治家ウィルバーフォース、ベネディクト・カンバーバッチがその友人で首相ピット。
あらすじ
ウィルバーフォースは奴隷貿易船の廃止を訴えるものの、議会では反対される。なぜなら英国は奴隷貿易で利益を上げているから。友人のピットの協力もあり、奴隷貿易船の劣悪な環境の証拠や証言を集め、議員や民衆にも伝え世論を動かすも議会には相手にされず。また折り悪くフランスで革命が起こり、ウィルバーフォースの訴える奴隷貿易廃止も革命なのではと警戒されてしまう。体調のこともありしばらく静養していたところ、意見の合う女性と出会い結婚。妻の後押しやピットとの再会もあり、奴隷貿易廃止を成し遂げる。
感想
若い頃から老人になるまで、その演じ分けとメイクがすごい。ファッションやカツラがいい。(カンバーバッチの坊主頭も)
ウィルバーフォースの信仰心や人権意識、信念の強さが伝わってきた。信仰心と政治、どちらも選ぶという選択も、奴隷貿易への後悔と神の救済を歌うアメイジング・グレイスも効果的だった。
また当時の政治が限られた貴族たちの意見で動いていたことや、民衆たちが人権のために動いていたことにも驚いた。
ウィルバーフォースの妻のように、同じような考え方を持っていて、違う意見だったら話し合って支えてくれる人に出会えることは素敵なことだと思う。死後ウィルバーフォースはピットの隣に埋葬されたそうだが、同じ思想を持っていて忠告したり支え合える人と出会えたからこそ、成し遂げられたことだと思う。
ナポレオンは英雄でも戦争の英雄だから夜眠る時は戦争の夢を見るだろうけど、ウィルバーフォースは平和のための英雄だから夜眠る時も奴隷貿易を廃止させたぞって眠れる〜みたいな言葉が良かった。