あきら

悪魔のいけにえのあきらのレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
4.8
久しぶりに見てみたけど、やっぱりイかれてるな……(感心)

星の数ほどあるホラーの中でもただグロい、ただ怖い、ただエグい、ってだけならこの作品よりも過剰な表現はいくらでも作られてるだろうってのは知ってる。
けど、自分の生き物としての本能に訴えかけてくるレベルでのヤバさは、この作品が最高峰だ。

それでも!
あんなにヤバげなレザーフェイスが気の毒に思えてくるほどに、父と兄とジジイがほんとに嫌!!!
人間ってあんなに嫌な笑い方ができるんだね。
ああ悍ましい。

しかも殺される側の若者集団にも得体の知れない嫌さを感じるのだよね。
あの車椅子とか。設定でいえば弱者のはずなのに。

映画としては、なんで被害者側にああいう奴を持ってくるのか謎なんだけど、そこ込みでああトビー・フーパーだからねとしか。

いかにもなエンタメホラー演出じゃないとこが実によくて、ゴア描写は言うに及ばずだが、袋詰めにされてる女子をチクチク突つく描写とか、地味なんだけどこのおっさんの異常性をひしひしと感じて、けっこう丁寧に作ってあるんだろうな。
って、何度目かの鑑賞で気がついた。


最後のレザーフェイスの謎の疾走感と開放感。
なんなのあの妙な感動は!!!?
あのラストシーンは目に焼き付いているし、思い出すたびに胸に込み上げるのは、爽快ともいえる熱いもので、そういうとこ本気で頭おかしくて、きっと10年後に観ても最高に好きなんだろうな……
あきら

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