あきら

サンダカン八番娼館 望郷のあきらのレビュー・感想・評価

サンダカン八番娼館 望郷(1974年製作の映画)
4.3
「からゆきさん」なるワード、まるで知らなかったよ。
吉原とか島原とか、日本各地にあった遊郭のことはなんとなく見聞きしたことあったけど、海外輸出かぁ……

そしてどこ行っても悲惨。
日本の軍人さんが来るぞって、日の丸で迎えてたけど、
大挙する若い男の群れのシーンは、ある意味ゾンビよりおそろしかった。
ひとり30人以上相手するだなんて、粘膜擦り切れるであろうことは、ふつうに想像できるのに。
なんて悍ましい……

キクお母さんが男一人ずつから盗んだっていう夥しい数の指輪。
本物の血と涙の結晶やん……

だというのに!
女のオ◯コの汁を啜って暮らしてやがるくせに!
あの女衒の、あの家族の、あの町の人たちの!
浅ましいこと卑しいこと!
本当なんなんだ!!!

満州でのひとときの幸せすら儚すぎるし、
そもそもおサキさんのあのボロ屋が切なすぎる。
ただ精一杯生きただけなのに。

それでも生きて帰れただけでも、幸せなんやろか?
彼女の語るなにもかもがつらすぎて、
猫ちゃんいっぱいだけが癒しだった。

なんで女に生まれたってだけで、
こうも搾取されなきゃいきてゆけないんでしょうね。

そして今、令和のJAPAN
長引く不景気と広まる格差、わかりやすい国力の衰退。

日本がこのまま貧しくなれば、またこれが繰り返されるのかもしれないってひんやりした不安。
本質はこの時代から、何も変わってない気がするのだが、いつかどうにかなる世の中が来るのでしょうか。

チラッとだけふれた日本軍の虐殺と村焼きが
悍ましすぎた。
あきら

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