凛太朗

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗の凛太朗のレビュー・感想・評価

4.4
あのMETALLICAもLIVEのオープニングSEで使ってます!
『The Ecstasy of Gold』

『The Good, the Bad and the Ugly』
『いい奴、悪い奴、そして卑怯な奴』

セルジオ・レオーネ監督によるドル箱三部作最終章で、邦題は『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』ですが、前作の『夕陽のガンマン』との関連性は、公式では一応ありません。
本作ではイーストウッド扮する名無しの男(渾名はブロンディ)も、絶対的な主人公というわけではありません。そして長いです!
役者の顔面に極端に寄るクローズアップからのワイドスクリーンいっぱいのロングショット、そしてまたクローズアップ。なんなら目だけ!みたいなことを、絶妙な間で繰り返しているので、結果的に尺が長くなっている気がしないでもなく、人によっては間延びしていると感じ、退屈に思ってしまうかもしれません。

しかしながらこれが、最終局面の善玉、悪玉、卑劣漢による三すくみの決戦に集約されるように、最高の緊張感と興奮を生み出していることは間違いないし、この映画のクライマックスはこの三竦みと、その直前の『The Ecstasy of Gold』が流れる、墓地で20万ドルの眠る墓を血眼になって探しているシーンだと思うので、やはりセルジオ・レオーネ特有のこの演出は絶対に必要なのだと思います。
エンニオ・モリコーネによる音楽も、ドル箱三部作では本作が最高潮。
METALLICAが好んでライブのOPでSEとして使用しているからというわけではないけど、全体を通してエレキギターの音を使ってたり、そこはかとなくロックの匂いが漂う。

そして本作は物凄くコメディです。カメラワークによる緊張感が凄い半面、要所でお笑いぶち込んでくるので、緊張と緩和が凄いことになってますね。
特に、イーライ・ウォラック扮する卑劣漢の男トゥーコの、卑劣な半面間抜けな姿は頗る笑いを誘うわけですが、それに掛け合ってるのがイーストウッド扮する善玉のブロンディだというシュールさがあります。
凛太朗

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