松井の天井直撃ホームラン

パームビーチ・ストーリーの松井の天井直撃ホームランのネタバレレビュー・内容・結末

パームビーチ・ストーリー(1942年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

☆☆☆☆

日本語題名『結婚五年目』

今まで5〜6回は観ているが、この映画の本当の面白さを果たして全て理解しているのか?自分なりに自問自答してしまう。
でも今回再鑑賞して思うのは、「やっぱり凄い!」って心底思う。

いきなり何やら不思議なオープニングから始まるが、このオープニングが一体何を表しているのか?
ラストシーンを観た時に「嗚呼!そうだったのかぁ〜!」と思う衝撃を味わう為には、一体何回本編を観た後に知る事になるのだろう?二重三重に張り巡らせられた緻密な脚本には、舌を巻かざるを得ない。

そこに至るまでに、先ずは《うずらクラブ》だ(笑)
毎回観る度に思うのだけれど…そのもの凄いはちゃめちゃ振りにはただただ唖然!
初めて観た時には全く意味が分からず頭がこんがらがったものでした。
同じく車両を使っている辺りは『お熱いのがお好き』をほんの少し思い出すが…あちらはどんな展開だったかなぁ?時代的には本作品からかなり経ってから作られている、『お熱い…』をもう一度見直して確かめてみないとなあ〜。

この車両内で大金持ちのルデイ・バリーが登場。絶妙なキャラクター設定が笑わせる。
彼は当時有名な歌手で、トレードマークの眼鏡を何度も踏みつけて割るギャグが笑わせる。そりゃ、クローデット・コルベールみたいな魅力的な女性を相手にすれば怒るに怒れないってものだ。
映画の中で様々な衣装を着こなしてしまう彼女を見ていると、そりゃソーセージ王も大金を渡してしまうだろうし、いつの間にか耳も善くなるってしまうものでありましょう(笑)

ルデイ・バリーは、終盤にヒット曲「グッドナイト・ダーリン」を披露するのだが、この時にコルベールとジョエル・マクリーの主演の2人が、前半のラブシーンと同じシチュエーションになる演出の何気ない素晴らしさ。

どうかんがえても修復しそうに無い話を、映画はこの後たった5秒で解決させてしまうのだから恐れ入る(汗)
とにかく信じられない発想ですよ…。
だからこそのファーストシーンなのだ!実に奥が深い。

スクリューボール・コメディの傑作でしょう。