うえびん

別離のうえびんのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.0
物語は、夫婦の離婚と両親の間に挟まれる子どもの葛藤。よくある話だけど、認知症を患う祖父を介護するヘルパーとその家族が加わることで、2つの家族、それぞれの家族のあり方、見え方がちょっとずつ変わってゆくのが面白くて最後まで観入ってしまった。

夫婦関係、親子関係、他人との関係がこじれることは、万国共通だなぁと感じる一方で、所々に「神に誓って」「コーランに誓って」という言葉が出てくるのに、異文化を強く感じた。真実は、神に見透されている。自らの行動を律するものとして宗教、一神教の神様が深く強く根付いているんだなぁと。

最初から最後まで、イランの日常生活の空気感が感じられて新鮮だった。最後が、短絡的なハッピーエンドではなくて視聴者の想像に委ねてくれるのもよかった。
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