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別離の440のレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.8
真実を伝えるということ
終わらせる勇気

重ための内容ですが、意外と冷静な気持ちで見届ける事が出来る作品。

別の国へ移住を考える妻
病気の父の世話があるため反対する夫
口論の末、家を出てしまった妻の代わりに父親のヘルパーを知人に頼んだが、アルツハイマーの父親の腕を縛り外出。
その間に父親がベットから落ち怪我を負ってしまう。
問い詰める夫がヘルパーの女性を家から追い出した際女性は転倒。
病院に運ばれたがお腹の子供を流産してしまう。

次から次へと繋がる負の連鎖。
周りも巻き込み裁判沙汰へと発展していく。

とてもよく練られたプロットで、直接関係ないエピソードなのに「お前が〇〇したからおかしな事になったんだぞ!」という連鎖が次々と起こる。

お互いの主張の相違。
引くに引けない状況。

この「やった、やらない論争」は本編の前半でも描かれている内容なのですがお互いの不利な部分は隠し続け、話はどんどん拡大していきます。

後半に妻の行動で収束の兆しが見えるも納得出来ない夫。
相手の旦那の行動もエスカレートし当事者たちの告白でクライマックスはとんでもない緊張感MAXの状況。

こういう時冷静に判断することはできないんだと思うけど、大切な人の事を考えなきゃいけないなって思ったし、信仰心ってすごいなと痛感。

ただね、今回のケース理由はどうであれ流産したという事実は変わらない。
そこを考えるととても切なくなる。

そして更にエンドロールで胸がギュッと締め付けられるような演出。
ここ最近の作品でも飛び抜けてインパクトある結末でした。
この終わり方は凄い!
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