都部

ドラえもん のび太の恐竜の都部のレビュー・感想・評価

ドラえもん のび太の恐竜(1980年製作の映画)
3.0
ドラえもん長編映画の一作目──約43年前の作品であるが、現代でも十分に楽しめるだけの作品としての基本的なフォーマットが確立されており、展開の強弱も文句なしとその価値は不朽である。とはいえそれ以後の作品に見られる自然環境に関与するメッセージ性はおよそ皆無であるから作品としての味付けは淡く、そういう意味では物足りなさもある。

偶然発見した化石から生まれたのび太とピー助の飼い主/ペットの関係性は必要最低限に描写されており、遊具のひとつであるボールを使った演出が作品を通して扱われる為に印象的だった。過去の時代の生物の密猟を目的とする敵役の黒い男──名前が黒い男ってどうなんだよ──のやけに紳士的な態度が良かったな。金は払うし、未来にも返してやるし、と武力的な行動を取るばかりでないのが格に繋がってる感じ。後々の映画の後味の面で問題になりがちなタイムパトロールの役回りも丁度良くて、初作なのにムラがなく優等生という異質な作品だった。
都部

都部