《Keep breezing.〜生きてるだけで丸儲け〜》
「時間に背を向けることは大罪だ。」
とまで言っていたチャック。
メンフィスからロシアまで87時間22分17秒かかる。死ぬほど働け、急げ!と言っていたチャックだが、約4年(1500日)の月日を無人島で過ごすことになる。
時間に背を向けた生活の中で彼が思ったこと。それは「豊かな暮らしの尊さ」と「生きていることの丸儲け感」だったと思う。
(以下、ネタバレ含みます!)
過酷な環境と不安の中でチャックは、死ぬ思いもするし、自ら死を選ぶほど追い込まれていた時もあった。
彼を助けたもの。それは自らの宅配会社の段ボールだった。
潮が運んできてくれた段ボールの中身はどれも役立つものだった。ドレスのレース生地は小魚を捕まえる網になり、バレーボールは友となり、1人で過ごすチャックの心を救った。
しかし、唯一開けなかった箱の正体は知らされないまま、物語は終盤へ差し掛かる。
最後まで中身は示されないまま終わるその段ボールには、1つのメッセージが添えられ、あるべき場所へと届く。それは冒頭の荷物の視点が始まった土地、メンフィスだった。
「この荷物のおかげで生きられました。ありがとう。」
様々な宅配荷物が彼を助けたが、最も彼を救ったのはこの住所だったのだ。
帰れないかもしれない不安の中で、「必ず、あるべき場所へ繋ぐ。」という思いが彼を支えていたのだ。
そして冒頭の、一見チャックの仕事を紹介するための映像かと思わせての見事な伏線回収。。👏👏
キャストアウェイって、監督誰だっけ??と思ってみるとロバート・ゼメキス監督!やはり伏線の鬼...👹
「息をするだけでいい。やがて朝日が昇り、潮が何かを運んでくる。」
これは希望の台詞だ。自分の無力さに打ちひしがれて、もう何も出来ない、どうせ無理だという呪いの言葉に覆われてしまったとき、思い出したい。
2023年 31作目