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冒険者カミカゼのHKのレビュー・感想・評価

冒険者カミカゼ(1981年製作の映画)
3.0
千葉真一氏の訃報を聞き、未見の本作をセレクト。
ちょうど40年前の作品ですが、東映から好きな映画を作っていいと言われ、千葉真一が企画して大好きな映画『冒険者たち』へのオマージュを捧げた作品だそうです。

オープニングからいきなり『冒険者たち』のA・ドロンのように複葉機で現れる千葉ちゃん(当時42歳の全盛期)。
その下で馬を駆る秋吉久美子(当時27歳)。口笛こそ聞こえてきませんが、テーマ曲もなんだかフランス風(?)。
真田広之は大学生の役ですが、当時は本当にまだ21歳。

ストーリーとしては、偶然知り合ったこの3人が、ある大学の不正入試による巨額の裏金の強奪計画を実行、それを知った犯罪組織との攻防戦が繰り広げられるという話で『冒険者たち』とはちょっとニュアンスが違いますが、ラストのフランスの要塞島ならぬ長崎の軍艦島での手榴弾での応戦など『冒険者たち』への愛はヒシヒシと伝わってきます。

残念ながら面白いかどうかは別ですが・・・私も『冒険者たち』が大好きなんで憎めません。
出演は他にあべ静江、川津祐介、尾藤イサオ、岡田英次など。
JAC仲間の志穂美悦子(当時25歳)も一瞬カメオ出演してました。

東映の重鎮岡田茂からタイトルを『爆発!カミカゼ野郎』にされかかり、千葉が慌てて折衷案になった話が笑えます。本作の悪役である岡田英二と岡田茂の顔がダブって見えますね。

千葉真一と言えば私の世代だとまずはTV『キイハンター』。
同世代なら、千葉真一が新幹線に乗っていると聞くと、座席ではなく列車の上を走っている姿を連想するのでは。

思い返せば小学生の頃、土曜の夜はTBS系で夜7時半から『巨泉のお笑い頭の体操』『8時だヨ!全員集合』『キイハンター』と10時までは鉄板の連続放送を見ていました。

そういえば私の持ってるDVD『キイハンター・ベストセレクション』には千葉真一とまだ10歳の子役の真田広之が共演している回も収録されています。(ちなみに真田という名は千葉真一の“真”と千葉の本名の前田の“田”を合わせたとか)

柳生十兵衛に服部半蔵役はもちろん、『仁義なき戦い/広島死闘編』のヤクザ役も強烈。
TVの山田太一脚本『深夜へようこそ』ではなんと中年のコンビニのバイト役。
あと野際陽子と一緒のハウス・ジャワカレーのCMや、足のいいやつ「決まってるね!千葉チャン」のトヨタ・カリーナのCMなんかも印象に残っています。
長い間お疲れ様でした。ご冥福をお祈りいたします。
HK

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