しゅん

戦艦ポチョムキンのしゅんのレビュー・感想・評価

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)
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冒頭の波打つ波止場からラストショットの下から覗く戦艦まで異様なテンションがひたすらに持続する躁病的名作。勿論間には名高き「オデッサの階段」を含んでいるのだが、スープの皿を乗せたつり台が揺れ続けるだけでホラーとサスペンスが漲る前半のシーンからすでにヤバかった。この映画が、話の筋だけとれば鬱陶しさと視野の狭さばかりが目立つプロパガンダ作品(こんなに字幕テロップがうざいサイレント映画もなかなかない)であるにもかかわらず、今でも普遍的な激素晴らしい藝術として鑑賞できるという事実を思うとちょっと勇気が湧いてくる。劇中で湧いてくるのはウジ虫だけど。
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