学生の頃、パソコンの小さいディスプレイで頑張って鑑賞して以来。
当時 猫と暮らした経験がなかった私は気づかなかったけど、あんなに甘えんぼの猫ちゃんが出演していたのね。あれは構わんの無理やろ。
最初観たときは「んー」ってところが正直な感想で、原作者のトルーマン・カポーティが映画をあまり良く思わなかったらしい、というエピソードだけが記憶に残っていた。
最近になって原作を読んでみたので、改めて鑑賞。
カポーティはマリリン・モンローを主演にと思っていたらしいけれど、確かに原作のホリーはどう考えたってオードリー・ヘプバーンのイメージじゃないよなあと思いつつ読了。マリリンはマリリンで違うような気もするけど、どちらかというとマリリン寄りなんかなあ。
でも、原作を読むと支離滅裂に見える映画の展開も掴みやすい。案外展開は原作通り。
だからこそ、原作の要素を無理矢理盛り込んだ感が否めないし、今の時代なら原作改変とでも叩かれそうな....
文章を映像化にするにあたってイメージが変わることはある程度仕方のないことだし、文脈を著しく損なうことがないのなら一概にダメとは思わないんだけど。
でも、カポーティがこの物語に込めた思いを知ってしまうと、なんとなくカポーティの背中を撫でてあげたくなるような気持ちにはなる。
そうは言っても、オードリー・ヘプバーン主演ともなると忖度も必要でしょうし、キャスティングの時点で違うんだから、物語も違ってきてしまうのも仕方ないよね。
個人的には、この物語は小説の方が味わい深いとは思う。
主人公と一緒にホリー・ゴライトリーに恋をして、振り回され、一喜一憂し、気も狂わんばかりの体験ができる。
もし、体験したければ。
でも、オードリー・ヘプバーンが演じたホリー・ゴライトリーがとてつもなく神々しいことは本当で。
誤解を恐れずに言えば、少し頭の悪い美女をあんなにも上品なイメージに押し上げ、今日までこの映画の美しさを守り続けているのは、彼女の功績だろうなとも思う。
そしてあの『Moon River』のオープニング。
パン屋さんに行きたくなる映画、No.1です。
あれ勝手にクロワッサンだと思い込んでたけど、違ったのか。なんかデニッシュ系?
ああ、美味しいパン屋さんに行きたい。