Melko

ガフールの伝説のMelkoのレビュー・感想・評価

ガフールの伝説(2010年製作の映画)
3.6
猛禽類が好きな人には眼福な映画。
長いこと📎しっぱなしで、やっと見れた。画とアクションは良かったが、キャラデザというかモチーフが好きになれず…

とにかく画面中🦉だらけ。
そして、引くぐらい画が美しい。
なのに、重苦しい内容。

ジャケットにいるのは家族なのかと思ってたら、仲間たちだった。冒頭いきなり連れ去られるクラッドとソーレンの🦉兄弟。クールで野心家の兄クラッドと、夢みがちで明るいソーレンは、連れ去られた先の「純血団」という悪の一味で別々の道に進むことに…
そしてそこから、小心者のソーレンが伝説の勇者たちの中で真のリーダーとして頭角を表す様子と、純血団に残ったクラッドがまさかの妹まで犠牲にしながらどんどん闇堕ちしていく様子が対照的に描かれる。

冒頭数分で親元から連れ去られる兄弟それぞれが辿る道のりは、まさに「一瞬の判断」が自分のその後に繋がるという教訓を示す。
最初はただ高飛車なだけだったクラッドが、シーンを追うごとに胸糞悪い悪党に成り下がっていく…
最後のシーンは「ライオンキング」のムファサとスカーを彷彿とさせる。兄弟逆だけど。

自然、背景、水描写、どれを取っても圧巻のビジュアルクオリティだが、とりわけ「光」の見せ方が凄まじい。
朝日、夕焼け、希望の光。感情を持つかのような光描写のバリエーションに、唸る。

そして、アニメ映画であまりないであろう「鳥」を題材にしたアクションの派手さと構図の複雑さ。
戦士たちが広げる大きな羽根のインパクトも凄いが、特に、終盤の戦いで大ピンチに陥る勇者軍を起死回生の捨て身アタックで救うソーレンの ブワッと浮かび上がって静止するところ(見た人はわかる)が、もう、凄い。スゴイ(語彙力)。BGMも相まって、とても神秘的で且つ攻撃性に溢れる炎と滑空描写だった。

…と、良いところもたくさんあったけど、中盤までは退屈なことこの上なかった。見慣れない🦉だらけの画に地味で重い展開。子梟はかわいいけど、正直なところ梟の顔の表情が怖く、愛らしいまではいかなかったため、何度も見たい作品とはならず。
まあ中盤のOwl city(🦉だけに)の曲はちょっとテンション上がったけども。
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