イタリア、ネアリアリズモを代表する映画。イタリアが貧困に喘いだ時代と真っ当に生きることの難しさを説く。
貧しい者の代表として、アントニオは信仰を大事にできず、人に迷惑をかけ(周りが見えず)、子供に豊かさを教えることができない人物として描かれる。アントニオはブルーノに給料の計算をさせ、口答えされるとぶち、轢かれそうになりながらもついて来るブルーノに振り向かず歩を進める。
しかしながら、アントニオはその置かれる環境によって一連の行動を起こしていると、間接的に分からされる(特にラストシーンで)。
この作品が多くの映画人に大事にされてきたというワケは、「人物と群衆」の描き方にあると考えた。群衆は冷たく、無関心で、人物に疎外感を植え付ける。