HAYATO

自転車泥棒のHAYATOのレビュー・感想・評価

自転車泥棒(1948年製作の映画)
3.8
2024年21本目
ネオレアリズモ(1940年代から1950年代にかけてイタリア映画において支配的であった潮流)映画の代表的名作
長い失業の末、映画のポスター貼りの仕事を得たアントニオが、仕事に必要な自転車をちょっとした隙に盗まれてしまい、6歳の息子・ブルーノを連れて自転車を探し回る。
キャストには演技経験のない素人を起用しており、アントニオ役のランベルト・マジョラーニは失業した電気工、ブルーノ役のエンツォ・スタヨーラはヴィットーリオ・デ・シーカ監督が街で見つけ出した子供である。
第二次世界大戦後の困窮したイタリア社会を映し出しており、当時の人々の苦しみや痛みがひしひしと伝わってくる。
1台の自転車に生活がかかっている状況だからこそ、よりアントニオの自転車を盗んだ犯人のことが許せず、どうか見つかってほしいと思わずにはいられなかった。
作品を通して社会改革の必要性を訴えられることも、映画の良いところであるなと改めて思う。
精神的にダメージを喰らう作品なので、本作を『ライフ・イズ・ビューティフル』や『グリーンマイル』あたりを含む“2度と見たくないけど素晴らしい映画リスト”に加える。
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