再鑑賞
ニューヨーク・インディペンデント映画の先駆けともいえるカサヴェテスの長編処女作。ヌーヴェルバーグのニューヨーク版のような雰囲気が感じられる。台本がなく役者の即興演出なのでドキュメンタリーのような生々しさと緊張感があり、バックに流れるジャズのアドリブとうまく掛け合わさる。
主人公は、混血の兄妹3人。妹は白人にしか見えないのがポイント。根底にあるのは人種差別だが、そこまで深くは描いていない。こっちが感じとればいい。当時のニューヨークの混沌とした街並みや兄妹たちの鬱屈とした感情をただ描いているだけ。
面白いとは言いがたく退屈なのに惹きつけられる。荒っぽいカメラワークやストーリー性のなさはアンチハリウッド的で、初めて観た時は衝撃だった。スコセッシやジャームッシュがカサヴェテスに影響を受けたというのも納得。映画とはなんだ、を突きつけられる。