浅野公喜

白熱 デッドヒートの浅野公喜のレビュー・感想・評価

白熱 デッドヒート(1977年製作の映画)
3.6
「サーキットの狼」や「ヘアピン・サーカス」等に並ぶ走り屋をテーマにした小説原作の70年代邦画カーアクション。個人的に上記二作品より面白くキャストも豪華で、特に意識はしてなかったのですが出演の一人、マサヤ・オキは昨日が命日の方でした。

70年代特有?の一部キャストの大袈裟な演技や正露丸のCMみたいな少々間の抜けたトランペットのBGM、意外と真面目なレースシーンがそこまで無い(笑)のが気になる所ですが、日産のケンメリスカイラインGT、マツダ・サバンナ、日産チェリー、フォード・マスタング2やシボレー・カマロ(フェンダーミラー付き)とこの時代らしい車が登場&疾走する姿は圧巻で、特に主人公が駆るチューンナップされた初代ダルマセリカは今観ても格好良いです。

カーアクションも橋から池に落っことされたり中盤にはチキンレース、終盤には想像の斜め上をゆくおんぶ&綱引き、崖から崖へジャンプする要素も含む悪路でのレースも用意と充実。また、意外にも木の枝のアップ→ガソリンスタンド横の花というシーンの繋ぎ方、ガイ・リッチー監督「スナッチ」よりも何十年も早く細かいカット割りによって数秒内で魅せる目的地への移動、夜の峠をヘッドライトでらせんを描くように走る車列と演出・編集・映像に光る部分アリ。そして巻き髪ゴージャスヘアのジュン・フブキはちょっと今風。

ちなみにマサヤ・オキは「俺たちは天使だ!」で今作にも登場した2世代目のシボレー・カマロに乗ってましたが調べるとプライベートではその兄弟車のポンティアック・ファイヤーバードに乗っていたみたいです。
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