平均評価は低いものの、面白くないと言った事は感じなかった。一つの芸術として評価するのか、ある種読み物のような感覚で見るのか。ここが評価の分かれ道だと思う。ただ、自信を持って言えることは、監督ティム・バートンで主演がジョニー・デップからも予想される世界観の独特さが非常に強く見られる。
また、内容としては、復讐というものの強力さを見る事が出来、この部分がメインなのかなと思う。恋は盲目という言葉があるように、復讐もまた盲目なのだろう。トッドが奥さんを見抜けなかったあの場面に説得力を感じる。
例として、人が一つの事に集中した時、非常に大きな力が働く一方で、周りが見えなくなる。それ自体は、悪い事ではなく、寧ろ素晴らしい事だと思う。ただ、自身の根本にある理性や道徳を手放してしまえば、人でなくなってしまう。つまり、判事の悪意によってこれらを手放したトッド、そして、恋によって同様に手放したラヴェット夫人もまた人から逸脱してしまったのだと思う。
