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鍵泥棒のメソッドのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

鍵泥棒のメソッド(2012年製作の映画)
5.0
売れない役者・桜井武史(堺雅人)は、銭湯で羽振りのいい男が転んだはずみに頭を強打して記憶を失う現場に居合わせる。とっさにロッカーの鍵をすり替え、彼になりすます桜井。
ところが、その男が誰も顔を見たことがない伝説の殺し屋コンドウ(香川照之)だったことから窮地に陥ってしまう。
一方、自分を桜井だと思い込んでしまったコンドウは、真面目に演技の勉強に取り組み始める。
すると、そんなコンドウの姿に女性編集者の水嶋香苗(広末涼子)が好意を持ってしまい…。
「アフタースクール」の内田けんじ監督が、堺雅人、香川照之、広末涼子を主演に迎えて贈る痛快コメディ。ひょんなことから人生が入れ替わってしまった対照的な2人の男と婚活中の女性が巻き起こす奇想天外な物語の行方を軽妙かつスリリングに描き出していく。
冒頭の広末涼子演じる生真面目で几帳面な女性編集長が彼氏もいないのに婚活を宣言するシーンから、内田けんじお得意のオフビートなシチュエーションコメディが、売れない役者が銭湯の更衣室の鍵をすり替えることで殺し屋とすり替わってしまうことで起こるてんやわんやを、巧妙な語り口で描いています。持ち物ばかりか人格も入れ替わることで起こる可笑しさがツボにハマってきます。
悪役の多い香川照之が気の弱い役者と几帳面な殺し屋を、ナイーブな役の多い堺雅人が殺し屋と気の弱い役者を、2役を演じ分ける演技派俳優同士の演技バトルも見事でした。
几帳面で真面目な女性編集長を演じた広末涼子の天然ぶりも、面白かったです。
特に、終盤の記憶を取り戻したコンドウと桜井がヤクザを出し抜くための大芝居の稽古をするところから2人がヤクザを相手に大芝居をうつところの展開は、ユーモアとスリル満点のスカッとする名シーンです。
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