砂米

回転の砂米のネタバレレビュー・内容・結末

回転(1961年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

お、終わった…!?これで終わりなの?とびっくりした唐突なラスト。
こういう、余韻を持たせることなくバッサリ終わる映画を観たことがなかったかもしれない。
メランコリックな終わり方でした…。あまりにもデボラー・カーに無慈悲。

郊外の美しいお屋敷に家庭教師として招かれるも平穏な日々は束の間、不気味な現象が起きて…という物語。
花と緑溢れる豪華な屋敷に住む小さな兄と妹の元に現れる心清らかで美しい家庭教師、とホラーじゃなければ海外児童文学のようでとても好きだった。

だから、愛と勇気の力で悪魔を追い払えると思ったし、最後はあの美しいお屋敷でずっと仲良く暮らしていけるものだと思ってた。

見どころはホラー要素よりかは映像の美しさ。
雫が光る薔薇園、少年が手渡す小さな花束、駆ける馬、少年の頭に乗る白鳩、可愛らしいドレスを着て踊る少女、白く煌めく蠟燭の火、触るたびに花弁が零れ落ちる白薔薇の花瓶…
そして何といっても主演のデボラ・カーの美しさ。
毎日のように違う上品なドレスを着てくるので目が楽しい。
演じた彼女の年齢は40歳くらい。年相応の落ち着きはあるけど純粋さやお茶目なところが魅力。
それと叔父に惹かれていたり、中身は大人だけど小さな少年に翻弄される大人の女性という罪深さがあって、少し年上の女性だからこそ背徳感が生まれる設定だった。

幽霊が出てくるホラーは苦手だけど、このくらいの怖さならお昼の時間に観れば大丈夫。
ゴシックホラーの定義が分からないけど、こういう美しさと恐怖が共存しているものだったら好きな部類なので、もっと観ていきたい。


他の方のレビューや解説で、ギデンスの妄想かもしれないという考察に驚愕。それも有力説。
現実と妄想が混ざる話は好きなのに、今回は1ミリも考え付かなかった。
多分、男の霊が出てきたので信じてしまったのだと思う。幽霊には耐性がないもので…
砂米

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