Kumonohate

海から来た流れ者のKumonohateのレビュー・感想・評価

海から来た流れ者(1960年製作の映画)
3.1
小林旭の“流れ者シリーズ”第1弾。浅丘ルリ子、宍戸錠、和製ウエスタン、元刑事、事業を巡る地元善人とヨソ者悪党の対立…“渡り鳥シリーズ”と一体全体どこが違うんじゃい!しかも同時期に平行して作られていた?というツッコミはこれまで多くの人がしてきた通り。

まあ、それほど中毒性の強いフォーマットだってことなのかもしれない。少なくとも、恥ずかしいほど過剰にキザな台詞の応酬とか、銃刀法が存在しないかのような世界観とか、馬で走り回る荒涼たる風景とか、アキラがギターつまびき歌うやたら演歌っぽい主題歌とか、自分的には間違い無くクセになっている。

なので、本作に独自性を見出すことには意味が無いかもしれないが、アキラが単なる風来坊だった“渡り鳥”に比べ、本作のアキラは、その土地(伊豆大島)を訪れる明確な目的を持っており、故にその後の行動がわかりやすいという特徴がある。また、本作の主題歌である「ダンチョネ節」は、“渡り鳥”以上に渋みのある哀愁ソングである。そして、本作で悪女を演じた筑波久子さんは、後に渡米しハリウッドのプロデューサーとなり、「ピラニア」「殺人魚フライングキラー」をプロデュースし、駆け出しだったジェームズ・キャメロンを抜擢し監督デビューさせた人なんだそうである。あと、シーン間の整合性がときおり取れてなかったりする。
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