きゅうげん

パニック・ルームのきゅうげんのレビュー・感想・評価

パニック・ルーム(2002年製作の映画)
4.0
『マンク』撮った今だからこそ言えますが、フィンチャーってやっぱり往年のハリウッドが大好きなんですねぇ〜〜〜!
オーソン・ウェルズやヒッチコックなどへのリスペクトが盛りだくさん。とくに個人的には『裏窓』っぽいSOSシーンとか、『市民ケーン』みたいに物体をのり越えたりくぐったりとか、ニクい観せ方がたまりませんでした。
「CG時代に突入したからできるウェルズ風撮影レベルMAX」って感じの、冗談のような泥棒侵入シーンの縦横無尽さには脱帽。

役者陣も素晴らしいです。
ジャレット・レトのボンクラ感とか、フォレスト・ウィテカーの根は優しいパパ感とか。凛としたジョディ・フォスターと背伸びしたクリスティン・スチュアートは、支え合う親子にちゃんとみえるから不思議。
てかずっと覆面の謎ヤバ男、振り返ったら普通にドワイト・ヨーカムで盛大にずっこけましたね。
キャラクター的魅力あふれるスリリングな演技合戦が、フィンチャーのソリッドでシャープな画づくりと相まって最高です。

ちなみに、ジョディ・フォスターが小児糖尿病用の注射器を、間一髪で扉の隙間へすべり込ませる場面、100回以上チャレンジして成功したシーンだとか……。