ウェス・アンダーソンが初めて挑戦したストップモーションアニメ。
…本当に初めてかと疑うぐらいめちゃくちゃよくできてるうえに、めちゃくちゃ楽しかった!🦊
平面ショットの多様やテンポの早いセリフ回しなど、実写でやってるウェス独特の作風をちゃんとアニメにも落としこんでいて、作家性の強さというか濃さを実感。
先に観てしまったストップモーションアニメ第2弾『犬ヶ島』と同じく、身勝手な人間によって危機に追いやられ翻弄される動物たちが描かれます。
バイオレンスをオシャレでメルヘンな世界観の裏に隠すことで、よりその残酷さを強調する″ウェス節″は、動物視点の時こそより輝くのかなと感じました。
『犬ヶ島』では子供の頭に金属片がぶっ刺さったまま物語が進行していくのがとても痛々しかったのですが、『ファンタスティックMr.FOX』でも尻尾が千切れた痕のピンクな感じがとても痛かった。。尻尾を犬がブンブンすると、ちっちゃい肉片がポロっと出てくるところもヤバかったですが、こういうディテールの描き方から、改めてウェス監督はバイオレンスや痛みというものにこだわりがある人なんだなと感じ、この監督にまたちょっと近づけたような気がしました。
やっぱストップモーションアニメは観てて心地好いなと改めて実感させてくれました。特に″食″の表現が秀逸。小さいブルーベリーの粒を二つに割って断面に毒薬を染み込ませるところは『犬ヶ島』のスピーディーな寿司調理に匹敵する心地好さ。そして、やっぱりここにもバイオレンスがちらついている。。
キャラクターの細かい動きに集中したくて吹替で鑑賞しましたが、青山穣が声を当てたラットが超カッコよかった!原語版だとウィレム・デフォーがやっているのか、、見直さなければ…ウェスのお気に入りですね、というかデフォーはいろんな巨匠に愛されすぎ!
父親から認めもらうことに一途なアッシュの愛おしさに一番グッときた!
今のところウェス作品中『犬ヶ島』に次いでNo.1!ウェス節を存分に発揮されるであろうこの動物シリーズ2作が今のところツートップとなりました。ウェスの新作ストップモーションアニメが早くみたくてたまらない!もちろん実写の方も気になるので、なんでもいいから新作を!