きゅうげん

ザ・グリードのきゅうげんのレビュー・感想・評価

ザ・グリード(1998年製作の映画)
3.8
よくあるモンスター・パニックと侮るなかれ!
ナイスガイな船長&へっぽこメカニックと女怪盗に、個性豊かな傭兵たちや金満外道オーナー。
彼らを迎え撃つは、……巨大コウモリダコ怪物!

当意即妙な会話劇やお約束の展開など、作品の空気感はハイテンポで居心地がいいですね。
操縦席のゴチャゴチャ感とか水上バイクの原色・蛍光色テイストとか、“パッション+ハイテク”という雑な東アジア・イメージとか、当時の時代感もほほえましいです。
それに巨大生物グリードくん!!!
骨と皮だけが残る惨状のショッキングさや、殺傷性の高そうな触手デザイン、満を持して拝することができた御尊顔の愛くるしさなど、なかなか良いモンスターですねぇ!

ウェス・ステュディを筆頭にジェイソン・フレミング、クリフ・カーティスやジャイモン・フンスーなど、コワモテ中堅俳優オールスター状態(あんまり活躍しなかったけど)。
いつも通りのファムケ・ヤンセンも最高です。
そして何よりビックリなラスト!
『ハムナプトラ』シリーズでのブレイクを考えると、監督のやりたい事はヴェルヌ的な冒険ファンタジーだったんだなぁと実感。
俳優の質やセット・美術のクオリティ、CGアニメの完成度などを鑑みると、B級映画と一笑に伏してはいけない、隠れた逸品であるといえます。