mayuchi

クラッシュのmayuchiのレビュー・感想・評価

クラッシュ(2004年製作の映画)
3.8
【2017年97作目】

ひとつ前に観た『明日、君はいない』に続き、こちらもとても重い物語。
連続で観る作品ではないですね〜(><)

人種差別をテーマの本作は、なんとも聞いてて嫌になるセリフのオンパレード。
私、人種差別には嫌悪感があります。
世界中には様々な人種がいて、このグローバルな社会には、身近に外国人がいるのが不思議ではなくなってます。

日本に住んでいると、ひどい人種差別はあまり見受けられないと思いますが、他国では未だに普通にある事なんですよね。
本作の舞台アメリカは、人種の坩堝でもあり、人種差別は悲しいかな日常的にあるんですよね。

マット・ディロン扮する警官のライアンの言動はすごく不快でした。
そう感じさせるマットの演技は素晴らしいものでしたけどね。
ただ、このライアンだけではなく、劇中に出てくる人は何かしらの差別意識を持ってます。
冒頭から、差別意識を全開に見せてくるので、なかなかしんどい作品です。

だけど話しが進むにつれ、様相は変わってきます。
ここからが泣ける!
途中くらいまで、私の様にイヤな気持ちを感じてしまう方もいるかもしれませんが、どうぞ中盤まで我慢してください。

誰しもが差別意識を持っているけど、誰しもが根っからの差別主義者ではないのかもしれないと思います。
育ってきた環境、教育、経験など、様々な事柄が要因になり、差別主義者が生まれるのかもしれない
これは悲しいですが、いろんな人種がひとつの国で住んでいる以上、仕方の無い事なのかなと感じました。
善しとはしませんけど・・・。

でも、このお話しみたいに、何かのきっかけで、そういう意識が変わる事もあるはずです。
サンドラ・ブロック扮するジーンのように、階段から落ちた時に友達よりメイドが優しくしてくれたっていう些細な事でもね。

本作は小さな希望も見れますが、救われない結末も見せられます。
悲しい気持ちになる反面、温かい気持ちにもなれる作品でした。
この世の中や人って、なかなか捨てたもんじゃないだろ?とポール・ハギス監督が言っているようでした。
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