【2021年7作目】
ヤン・イクチュン主演。
詩人のテッキには、しっかり者の妻がいる。
あまり乗り気ではないが、子供が欲しいと切実に訴える妻には逆らえず不妊治療をしている。
ある日、近所にドーナツ店がオープンし、その美味しさに驚き常連となる。
そこで彼と出会うのだが、家庭環境の悪い青年だと知り放っておけなくなる。
テッキ・・・悪い人ではないけど、こういう人の妻は苦労するよね。
ほぼ「ヒモ」に近いかも。
けど妻の未来にはテッキがいたんだね。
青年への気持ちって「恋」なのか「愛」なのか「同情」なのか?
青年のテッキへの気持ちは?
あの時ああだったらどうなってたんだろう?って事を鑑賞後に考えてしまった。
この「カタチ」に収まったのは幸せだったのか?
けどそうなんだろうね・・・
でも3人とも、心のどこかが死んでしまったのかもね。
主演のヤン・イクチュン。
彼がテッキを演じた事で、本作をより上質な作品へと導いたのではなかろうか。
『息もできない』で初めましてだったのだが、剃刀の様な人って印象が凄かった。
本物のチンピラを連れてきたのかと思うくらい、とんでもなく自然で、それがとても印象的だった。
本作でも心の僅かな揺れを見事に表現していて、改めてさすがだなと思った。
ぜひ一度ご覧頂きたい!
優しくもあり、哀しくもある物語。
済州島の美しさに、いろんなものが隠されている・・・