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KCIA 南山の部長たちのmayuchiのレビュー・感想・評価

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)
3.6
【2021年8作目】

KCIA部長キム・ギュピョンが大統領暗殺するまでの40日間を描いた作品。
主演にイ・ビョンホン。
大統領役にはイ・ソンミン。

本作は朴正煕大統領暗殺事件を基に作られたフィクション。
軍事クーデターで政権を握ったパク大統領。
その側近のキム・ギュピョンがなぜ暗殺を企てたのか?
警護室長のクァク・サンチョンへの嫉妬とされているが、事実はどうだったのだろう?
けど忠誠を誓い、敬愛し、真っ直ぐな目で「私が守ります」と言うキム部長。
やはり嫉妬が心の奥底に潜んでいたのだろうと考えてしまう。
この嫉妬心が暗殺という大それた事件を起こした原因なのか・・・
歴史に疎いので詳しくは書けないが、この暗殺事件が、その後『タクシー運転手』や『1987』と繋がる事になるんだよね。
韓国近代史を少し勉強したくなった。

今回のイ・ビョンホンの演技は、ほぼ怒りがメイン。
怒りに震えるビョンホンさんの表情が印象的。
「こんなにも貴方の事を思っているのに」と今思ったよねって場面も見受けられた。
政治的駆け引きはもちろんそこにあるのだけど、キム部長側の視線で観ると、もうこれは愛憎劇なのだ。

ラストのシークエンスは全く映画的ではなく、カッコ良さなんて何も無い。
バタバタして、必死さ丸出しで、無様。
だからこそ、ここにリアリティを感じられ、実際の事件を扱った作品なんだなと気付かされる。

ビョンホンさんとソンミンさんの空気感や間の取り方がとても良かった。
さすがお二人とも名優です。
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