サイバー偽善者

容疑者Xの献身のサイバー偽善者のネタバレレビュー・内容・結末

容疑者Xの献身(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

15年ぶりに観た。やっぱり邦画ミステリの大傑作だなあ。
倒叙ミステリだから観客は石神側の視点で追い詰められる感覚を味わいつつ、でも「ひっかけ」トリックのおかげで真相はわからない。だから先の展開がずっとわからない。
トリックの完成度も高く、それがドラマに有機的に絡み合っている原作を、見事に映像化していると思う。セリフも伏線が縦横無尽に張り巡らされていて、パズルのような快感があるし、演出やカット割りも抑えるべきところをきっちり抑えている感じ。時々ホラー演出が入るのがちょっと笑えるけど、堤真一の怪演が「ガチ」なので結構怖い。
この作品に限っては、湯川をイケメン俳優である福山が演じていることが、湯川と石神の対比を際立たせてプラスに働いている。
天才同士の対決といえばミステリの花形みたいなところがあるが、石神という天才キャラは実にすごい造形だと思う。泣いちゃうよこれは。
探偵側に謎を解くことに対する葛藤があるミステリはドラマがあって大好き。
またいずれ観ると思う。