それっぽい理屈で思想を侵食するカルト教団の狂気を、子ども向けにマイルドに描きつつ、最終的には兄妹愛の話に落とし込んで問題を全部解決し、気持ち良く終える構成が美しすぎる。
ヒマワリ星人と地球人の認識の差は、もはや信仰の差なので、一方が正しいとかじゃなく、どちらもそれぞれの主観的には正しいことをしている。
それ故に、拉致された子を救おうとしてるだけの野原一家が、見ようによっては悪いことをしているようにも感じられるのが怖くて面白い。
明らかにおかしいにも関わらず、やってることを全部ロジックで説明して信じ込ませに来るので、野原一家が悪役にも見えるが、そう見た瞬間に実は既にその思想に毒されてしまっているという、擬似的なカルト入信体験ができてしまう作品。
てな感じで、ヒマワリ星人と野原一家の関係性が、現実世界でカルト宗教に侵食される一般家庭のメタファーに見えて面白いのに、そんな見方をしてる人いなくてびっくり。
