あるき

オッペンハイマーのあるきのレビュー・感想・評価

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
4.8
広島出身で子供の頃から原爆に関する英才教育を受けてきた。
毎年夏休みに学校に集められ、動画を見たり被爆者の話を聞いたり、平和資料館には何度も行った。

そんな自分がトリニティ実験のカウントダウンにワクワクしてる。実験の成功に感極まってしまう。
立場の違いとその能力さえあれば、人はこんなに恐ろしいことをワクワクしながら実験できる。
それはアメリカ人だから、日本人だからとグルーピングして語れない、人間の本質的な恐ろしさであり危うさなのだと感じた。
それまで歴史上の事実としてしか知らなかったマンハッタン計画の苦悩や高揚感、その後の生き地獄を疑似体験できる映画の良さが詰まった作品。

毎年黙祷もせず、大した平和教育も受けてない人たちが、被害者意識増し増しで脳死で作品批判しちゃってるのは残念。
アメリカ人の視点だとどう表現されるのか、その立場の差を冷静に受け止め、その差にどういう意味があるのか、それは本当に生まれた国の差なのかと考え続けることが重要だと思う。
あるき

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