同監督「散り行く花」(1919)と同年の制作。リリアン・ギッシュ(当時26歳)主演の田園ロマンス。
大がかりなことはない純粋な初恋メロドラマだった。リリアンの現代劇は意外に観たことがなくとてもチャーミングに映っていた。ラストの回想カットはセンチメンタルを極めていて昨今の日本の恋愛系映画でも通用するのではないか?グリフィス監督とリリアン・ギッシュが作り出したイノセントな女性像は、当時は徐々に時代遅れになっていったということだが、普遍性があり現代のほうが支持を受けると思う。
「國民の創生」や「イントレランス」が目立って語られがちなグリフィス監督だが、個人的には本作のようなセンチメンタルな恋愛ドラマにこそ魅力を感じる。