この作品を観たことがあったかなと思ったら違う作品だった。タイトルに騙されて「最高の人生の見つけ方」みたいな作品と思ったらちょっと違いますよ。
もし医者に余命を言い渡されたら、まず何をしよう?
23歳のアンは余命2ヶ月と宣告され、やり残したことをノートに書き留める。2人の幼い子供のこと、夫のこと、母のこと、刑務所にいる父のこと、誰と何をすべきか。
今作がいいのはベタじゃないところ。タイトルから想像してたのとは、いい意味で違っててよかった。
お涙ちょうだいではなく、淡々としている。
1個ずつリストをつぶしていくシーンとか、死ぬ間際の描写とかが一切なくてよかった。そういうのはわかりきっててつまらない。
実際には、それはどうなの?って内容もある。
浮気相手が可哀想だとか、誰にも言わずに死ぬのはまわりの人を苦しめることになるとか。
でも、アンは若い。残りの2ヶ月をそうやって生きていきたかったんだから、それでいい。
まだ23歳なんだもん。
自分がいなくなった後のことを誰もが一度ぐらいは考えたことがあるだろう。人間は何があっても順応していく動物だから、自分が死んでも、周りの人たちは数日後には普通の生活に戻っていく。
それって当たり前だけど、その当たり前のことを映像にしてくれてなんだかホッとした。
もし自分が余命宣告される日が来たら、この作品をまた観たいと思った。
製作総指揮はアルモドバル。監督の才能に魅了され、制作を買って出たとのこと。納得です。
サラ・ポーリー、魅力的です。そして、子供たちが可愛い!
これ、邦題がよくない気がする。邦題のせいで観るの避けてたし。原題の「My Life Without Me」がピッタリです。