ベンジャミンサムナー

ごめんのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

ごめん(2002年製作の映画)
3.5
 「初めて会って一目惚れやし、2回目に会ったら二目惚れです!」

 監督が相米慎二の助監督をやってた人なだけに、子供がいきいきしてる。

 久野雅弘演じる七尾が、電車に乗ってる時に自分からドアの隙間に指挟ませたり、変顔しながら下校するディテールや、ゲリラ撮影してるかのように人がごった返すアーケード街を友達と下校するリアルな描写がノスタルジーを刺激する。

 七尾が直子を出会う場面は、『トラック野郎』シリーズのマドンナ登場シーンほどおおげさにならない塩梅で、それまでの準ドキュメンタリックな映像から超現実的な空間に飛躍する見せ方が上手い。

 青春映画で自転車を走らせるのは常套手段だが、剣道の道着を着たままのところに、七尾の先走る気持ちが表れてるのも良い。

 だが、七尾のいきいきさに比べると、直子を演じた櫻谷由貴花は美人ではあるけどキャラとしてイマイチ弱い。

 七尾に片思いしてるクラスメイトの方のナオちゃんとの関係をメインに描いたら興味深いと思うけど。