1980年ごろは今とは全く違って、日本の自動車会社の勢いがすごく、クライスラー・フォード、などは衰退し始めていた。ロナルドとマイケルの暴言を借りれば、『ちびの奴らのおかげで、仕事がなくなったんだよ』が喧嘩の争いになったわけだ。『you little m—f—s』は日本人のことだけど、この二人にとって、ヴィンセンをスケープゴードにしただけだ。アジア人はみんな似ていて誰が中国人か日本人か検討がつきゃしない。不幸にもビンセントが被害を被り、母親の慟哭(母子二人の生活)と結婚するはずだったガールフレンドの流れる涙は拭いきれないようだった。それに増して、判決の軽さはとは。ビンセント・チンの死の重さは人間ではない。動物の死として扱われたと。 監督はかなりのアメリカのアジア系の人々やアジア系の若者たちにインタビューを。でも、若者はビンセント・チンの名前をもう知らない。月日が経ってしまった。ヴィンセント・チンの話こそアジア系の差別、それと、差別を考えてみるのに必要なストーリーなのだ。だから、監督たちはビンセント・チンの死を無駄にせず、歴史上のこの不公平な事件を顧み、差別という意識を高めて、差別のない社会を作ろうとドキュメンタリー映画にしていると思う。