フェラデルフィアで乗客131人が死亡する列車の脱線事故が起きた。大惨事から唯一死を免れた男デヴィッド(ブルース・ウィリス)はかすり傷一つ負わず生還するが‥‥
デヴィッドは奇跡体験と謎の男イライジャ(サミュエル・L・ジャクソン)の出現で、自身の存在と家族について改めて向き合うことになる。
監督らしい凝った演出が見事。
今作のキーとなる「逆、対極」を巧く映像表現で表している。
そもそもな話、あくまで私の意見ですが今作で扱う題材自体この監督と対極にあると思いましたよ。
なにやら冒頭から意味ありげなうんちくが流れ、またか‥‥と思いました。
同監督作品『ヴィジット』のレビューで私は”意味がないように見えて意味がある仕掛け”と述べたが、そこには多少語弊がありました。
意味がないようで意味があるのではない。
普通の人なら気にも留めない物事に意味を与えようとするのがこの監督なのでしょう。
例によって今作ももれなくそれに当てはまる。
現に今作の主人公デヴィッドはあの男に指摘されるまで、数々の奇跡に気付かなかったのだから。
序盤から『シックスセンス』のセルフオマージュを混ぜつつ、引き込まれる展開でしたが、中盤以降はストーリーの起伏があまり見られず少々退屈に感じました。
それでも、作品全体をみれば面白かったです。
今作は史上最も静かな主人公の○○としての覚醒であり、家族再生と二人の男が人生における自身の存在意義を見出したお話なのです。
ちなみに、監督のギャグはイライジャの髪型に集約されています‥‥たぶん。
シャマラン監督が好きな方はもれなく観るべき作品でしょう。
