以前から存在は知りつつ、長らく観る機会の無かった007時代のショーン・コネリーのボンドじゃない主演作の1本。
アマプラ100円レンタルで見つけて鑑賞しました。
コネリーの主演作は数えると40本近く観ていましたが、まだまだ未見の面白作品があると実感。
舞台は1870年代のペンシルバニアの炭鉱で、実際の事件をもとにした原作小説がベース。
原題の“The Molly Maguires”とは過酷な労働を強いる鉱山所有者の搾取と戦うアイルランド移民の坑夫たちの秘密結社。
ふだんは鉱山労働に従事しながら、裏での活動は爆破から殺人までテロ並み。
警察は組織壊滅のためにスパイを送り込みます・・・
この時代の坑夫のヘルメット灯は電気じゃなくて蝋燭のような裸火が頭についててビックリ(ガスに引火したりしないんでしょうか?)。
アメリカ映画ですがアイルランド移民の話なので、主要キャストはコネリー(スコットランド出身)やリチャード・ハリス(アイルランド出身)、共演のフランク・フィンレイやサマンサ・エッガーなどを含めブリティッシュ勢が活躍。
他にこの頃よく見かけた脇役のアンソニー・ザーブなど。
今回のコネリーはスパイ側ではなく秘密組織のリーダーの方。
警察側のスパイをハリスが演じますが、この人どんな映画でもよくボコられますね。
貧しい生活から脱出するため上に抗おうとするコネリーと、自らが上に這い上がるしかないと考えるハリスの考え方の違いが男の友情を阻み悲劇へと・・・
ジャケ写からも主役はコネリーでハリスは2番手かと思いきや、実はどっちかというと主役はハリスで、コネリーは映画が始まって40分くらいはセリフもありません。
でも二人の真向対決は見応えがあり、お互いにこの時期のベストパフォーマンスでは。
監督は『ハッド』『寒い国から帰ったスパイ』などのマーティン・リット。
そして素晴らしいのがヘンリー・マンシーニの音楽。
耳に馴染んだ旋律なのでアイルランド民謡かなにかと思ったらマンシーニのオリジナル。私が持ってるマンシーニ・ベストのCDに入ってて昔何度も聞いた曲でした。
この静かで叙情的な音楽と力強い映像でオープニングから一気に引き込まれる硬派の力作です。