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ツォツィのlpのレビュー・感想・評価

ツォツィ(2005年製作の映画)
3.0
2006年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞したギャビン・フッド監督作。DVDで鑑賞。

南アフリカを舞台に、拉致してしまった赤ん坊を育てようとする、スラムの青年の物語。南アフリカの格差社会をバックグラウンドに置きつつも、社会的な要素は前面に出さず、今作は主人公の心の揺れ動きを確実に捉えることに主眼を置いている。

フラッシュバックで簡潔に主人公の過去を描写したり、冒頭のギャンブルのやり取りだけでスラムの現状を示したりと、全体的に手際の良さが光る。その結果として、95分の短尺にまとめられていて素晴らしい。

観賞後には映像特典でボツになった2つのエンディングを観たけど、この2つをボツにしたギャビン・フッドの判断はナイス。ボツになったエンディングは何れも、富裕層とスラムの「断絶」を埋め合わせ出来ないものに感じさせてしまい、劇中で変わろうと苦心するツォツィを否定してしまうように感じられた。
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