benno

ミスティック・リバーのbennoのレビュー・感想・評価

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)
4.2
C. イーストウッド監督作品…4作目


実在する《ミスティック・リバー》が流れるボストンの小さな田舎町が舞台

幼馴染のジミー、ショーン、デイブの3人は少年の頃のある事件をキッカケに心に忘れられない傷を負ってしまいます…中でも事件の当事者であるデイブは大人になってもPTSDに悩まされる陰鬱な日々

それ以来疎遠だった3人ですが、ジミーの娘が殺害された事件をキッカケに再会することに…

そしてあろうことか、事件当夜、血塗れで帰宅したデイブに疑いの目が…


     ‧₊❄︎-------------------- ❄︎₊‧


今作は脚本、演出は勿論素晴らしいのですが…3人の役者さんがマーベラス!!

デイブ役のティム・ロビンスは常に孤独…PTSDで人の言うなりになってしまう宿命を負ってしまった鬱屈した表情が素晴らしい

そしてジミーとデイブの間で常に冷静な刑事ですが家庭に問題を抱えるショーン役のケヴィン・ベーコン…バディのローレンス・フィッシュバーンとも絶妙なバランス

しかし今作、最も素晴らしかったのはジミー役のショーン・ペン!! もお〰︎Bravo!! 彼の悲哀や喪失、後悔…そして憤怒と、見事な演技は圧倒的です!! 👏🏻⟡

彼らのそれぞれの妻にもドラマが…デイブの妻の愚かさに対比してジミーの妻の強かな悪魔の囁きが恐ろしいს

また、ジミーがデイブを…ショーンがある人物を…ふたりがそれぞれの人物を追い詰めるクロスカットに緊張感もピークで心臓バクバクს



そしてジミーの台詞…

“We bury our sins here, Dave. We wash them clean…”

デイブ、この河に罪を沈め、洗い流すんだ…



因果応報…そして真実に辿り着いた時…堪らなくイヤミスな結末ს



奇しくも今作の制作は2003年でイラク戦争が勃発した年… 繰り返される犯罪と戦争の連鎖が重なる悲劇…監督の苦しい叫びが聞こえてくるようです
benno

benno