ピーちゃん

ミスティック・リバーのピーちゃんのレビュー・感想・評価

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)
3.1
ショーン・ペンと、ティム・ロビンスの纏う、どんより重苦しい空気が苦しくなるほどに伝わってくる。演技って空気の色まで変えることができるのね、と改めて驚嘆。
特に、ティム・ロビンスの絶望に少しの希望を加えてごちゃごちゃに混ぜたような、定義し難い複雑な感情が違和感として表現されていたところが良かった。
その違和感が最大のミスリード、かつすごく悲しい皮肉に繋がっているところもとても巧くできている。

親切すぎるくらいの説明も解りやすくて良いし、幼少期の思い出と、3人が乗り越えることの出来なかった深い溝が悲しい余韻を残す良作。

だと思ってたんです、最後の最後まで。

ラストの10分くらい、必要だったのかな。
家族礼賛と、罪の正当化、その後にくる星条旗のパンチが強すぎて余韻どころではなくなってしまった。
皮肉なのかなぁとも思いながら、皮肉にしてはストレートに伝わってきすぎるし、困惑したままエンドロールを迎えた。