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真珠の耳飾りの少女のsorakaraのネタバレレビュー・内容・結末

真珠の耳飾りの少女(2003年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

絵画の世界をそのまま映画にしたような、映像がとても綺麗な作品。
1600年代のオランダの雰囲気、すてき。

その中でとにかく目を惹くのが、スカヨハさんの無垢な美しさ。雪みたいに真っ白な肌と、赤みを帯びたぽってりの唇。素材の美しさがハンパない。

使用人だから地味な出で立ちで、髪の毛だって頭巾で全部隠れてるのに、なんかもう魅力が漏れ出ちゃってる感じ。

しかも天性の芸術のセンスありと来たら。
そりゃフェルメールも、彼女をそばに置いておきたくなっちゃうよね。
グリートとフェルメールが、窓辺で雲の色について話すところ好きだなぁ。

2人がじわじわ惹かれ合いながら、それを抑圧してるのがひしひし伝わるのとか、焦りと苛立ちをあらわにする奥様の表情とか…。
一見静かにみえる映画だけど、じつは色々渦巻いていてゾクゾクしてしまった。

あの肉屋の息子は本当にいい青年だし、グリートも彼といると安らぐのだろうけど。
フェルメールがもし全てを捨てて「一緒に来て」と言ったら、ついて行ったんだろうな…と思う。
あの時代では難しすぎたと思うけど、今ならきっとそーなってる。

それにしても、昔は絵の具がすごく貴重だったって事とか初めて知ったな。
そういう環境で生み出されたあの美しい絵は、本当に素晴らしいとしか言いようがない…。
芸術や絵には全然興味が無くて知らないけど、特に昔の作品はそういう事を知った上で改めて見たら、感じ方も変わるなぁと思う。

軽い気持ちで観たのに、すごく入り込んでしまった。こういう世界観好き。
もう一回観てもいいな(๑˃̵ᴗ˂̵)
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