ねぎおSTOPWAR

ジェーン・エアのねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

ジェーン・エア(1944年製作の映画)
3.7
主演が面白い!
「市民ケーン」によって巨匠監督として知られるオーソン・ウェルズ。
そして「レベッカ」「断崖(アカデミー主演女優賞受賞)」のジョーン・フォンテイン。

『孤児のジェーン(ジョーン・フォンテイン)という少女が主人公です。
叔母の家で差別を受け9歳で寄宿学校ローウッド校に送られます。そこで親友ヘレン・バーンズ(エリザベス・テイラー)に出会いますが彼女は劣悪な環境で死んでしまいます。
ジェーンは強くたくましい女性で、そこで教員となりソーンフィールド家の家庭教師として働くことになります。
その家の主人ロチェスター(オーソン・ウェルズ)と結婚することになりますが・・・。』

で、この1944年の映画はこの原作の初の映画化です。その後何度もリメイクされていますね。映画は基本構造を原作通りにするも、ロチェスターの家を出るくだりなどはシンプルに脚色しています。

ジョーン・フォンテイン演じるジェーン・エアは19世紀半ばの世間常識からするとかけ離れた感性を持ちます。女性から愛を告白するとか、財産や身分に固執しないといったところ。これは現代的感覚からするとまったくもって普通なのでこの作品の画期的な部分が隠れてしまい兼ねませんが、この作品がいつまでも愛されるのはこういった部分かと。

さて映画ではこんなジェーン・エアが寄宿学校の校長にいじめられるも耐えて出ていくくだりで強さを描き、ロチェスターの内面をきちんと見せて二人のラブロマンスに仕上げています。
今2020年にあれこれ言うのも野暮なんですよね。
製作当時を考えると戦争により男たちが死に、残された女性が強く生きるしかなかったわけで、ニーズがあったということでしょうか。

あと、今作オーソン・ウェルズの演技が何気にいいんですよね。
でも注目はエリザベス・テイラーです。
ほんのちょっとの出番で全てをかっさらうような可愛さ!!!!笑