ハーリン凋落のきっかけとなった不良債権映画。
本作の問題点はただ一つ。人間描写の失敗だ。ジーナ・デイヴィス以下個性的な海賊団を主人公にしておきながら, 彼ら同士での人間ドラマが全く描かれていない。駄目なんだって。一人ひとりをどんなに珍奇なキャラクター性で彩ったところで, その各人同士の相互作用をも同時に描かないと。だからジーナ・デイヴィス演じる傍目から見たらあんまり統率力もカリスマ性も無さそうな女船長に付いてくる連中が, 何を思って彼女に命を預けているのかが全然分からないのだ。海賊映画でこれは不味いだろう。ハーリンはいつもこのミスで面白そうな題材を台無しにしている。
