動きと音。
ジャック・タチの誇張した動きは今の目で見たら控えめだと思う。やりすぎない。当時は爆笑したのかもしれない。
例えば同じ動きを志村けんがやったらもっとあざとくなるだろう。
タチの映画は笑いとしては味が薄いように感じると思う。
昔の映画だけど、よく見ると面白い。
タチの背の高さがもうおかしい。歩きかた、テニスの構え、体操の動き、パイプをくわえた口もと。後頭部から見たって、うすらとぼけておかしい。
些細なおかしさが散りばめてあるから、ぼんやりしていると見逃してしまう。
そして、これは「裸の島」の作曲家のH氏に教えてもらったのだけど、ホテルの扉の音に注意。
普通に考えてあんな変なポックンって音はしないはずだ。車のたてる音もジャズみたいだ。
タチの先祖は額縁の職人だという。ゴッホを認めなかったことが反省点らしい。
確かにタチの映画は職人の技があるような気がする。
バカンスというものは日本には存在しない。休暇と訳すしかない。かなり長い期間の休みのようだ。