シャチ状球体

デモンズ’95のシャチ状球体のレビュー・感想・評価

デモンズ’95(1994年製作の映画)
3.7
ゾンビ(=リターナー)が出てくるけどファンタジックな映画。

何故か死者が蘇るのは墓地内だけで、外の人達は普通に暮らしている。
墓守のフランチェスコとナギだけが事情を知っており、二人だけが世界の理を支配しているような、良い意味でのスケールの小ささが特徴的。

蘇った死者も普通に意思があって喋るし、生者と死者の境界線が限りなく薄い。
手術のシーンに関しては、例えば前立腺がんの人はこういった治療を受けたりするのでショックシーンとして演出するのは不適切だとは思う。
しかし、前時代的なジェンダー観が繰り返される中でもそれに疑問を抱くような演出(支配するジェンダーの逆転や、従来の異性愛的な規範が死と蘇りによって崩れていく、など)もあり、露悪的ではない幻想的な雰囲気を最後まで楽しむことが出来る謎の映画。
シャチ状球体

シャチ状球体