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懲役太郎 まむしの兄弟のLEONkeiのレビュー・感想・評価

懲役太郎 まむしの兄弟(1971年製作の映画)
2.8
仁義とは何もヤクザ世界の言葉だけではない。少なくとも自分は仁と義だけは尽くすことを核とし生きている、他に何もなくとも只それだけのこと。



『あいつらから〝銭〟取るんは、蚤の金玉抜き取るより難しいわっ』

こう言う言葉遊びが端々に撒き散らばる昭和中期までの任侠映画は、今から観れば新鮮で本能で発する言葉は愛嬌と情がある。

菅原文太と川地民夫コンビの人気シリーズ〈まむし兄弟〉の第一弾は、チンピラ兄弟の幼稚な仁義から真の任侠道を知ることになる日本版『ブルース・ブラザース』。

コミカルで軽いタッチの任侠映画も仁義と言う背骨がしっかり物語に埋め込まれてているので、無謀で破茶滅茶な展開でも実直な道理が有るから娯楽と割り切り納得が行く。

ギラギラと活が良く躍動感溢れる〝菅原文太〟の風貌は厳ついが、細い身体を着流しに包み込み下駄を鳴らして風を斬って歩く姿は凛とする。

今では倫理的にも認められないであろう〝安藤昇〟の存在感は半端なく、感情を失った鮫の様な氷の眼光は凄ざましいが本物だから当然とも言える。

『生きてりゃ虫ケラでも死んだら人間』、これが仁と義の素晴らしき世界。


数年後に〝菅原文太〟は仁義を喪失した無情な戦いに挑み、トラックを転がし仁義を再び取り戻す..★,
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