大石油会社の御曹司エルヴィス、親父が強いる政略結婚嫌でトンズラ、スポーツカーとバイクを交換でガソリンスタンドのあんちゃんと二人旅。エルヴィスが素性を隠し見事カネでなく素の自分を愛してくれる女性を見つけるまでが、手抜きなしに面白おかしく描いてあって好感が持てる。いささか体の重そうなエルヴィスだけど、後期作品でもこんな快作もあるのだと、（影響関係は全く逆だけれど）『若大将』シリーズを見るような痛快な面白さに嬉しくなる。映画一番最初のエルヴィスのアップで、自慢の前髪が風で揺れるのは、女性ファンへのサービスかしら。エルヴィスと叩き上げ父親の関係もいかにも古き良きアメリカ映画の味があって好ましい。老若助演陣充実、ヒロイン役シェリー・フェブレーの魅力も大きい。

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