Siesta

ナイトメアー・ビフォア・クリスマスのSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

監督こそ違うが、まごうことなきティムバートンワールド ゴシックでダークでファンタジーで、ポップさと気持ち悪さの共存 異形の者の悲哀というところは、同時期のシザーハンズ、バットマンリターンズとも重なる また、バットマンリターンズの時に、プリンセスムービーへのカウンターだな、という印象を持ったけど、そんな彼が同時期にDisneyで映画を作っていたというのが面白い 今作は広義のプリンセスムービーではあるんだろうけど、“自分の生きる世界を知る“ ” という帰着をシザーハンズでは悲劇的に描いたところを今作ではポジティブに見せている印象 それに、彼の本当の姿こそ、彼女は好きだったわけで 見事にティムバートン節とDisney感を両立させているから凄い
ストーリー自体は、クリスマスに憧れて、ハロウィン式クリスマスをしようとして失敗するというシンプルさ でも、シンプルなストーリーこそ、映画的な豊かさが試される 個人的には、ラストはコンビニ人間を思い出した ジャックをはじめとするキャラクターの独特な動き 今作は、CGとアナログの狭間だからこそ生まれた怪作でもあると思う 今だったら3DCGだろうし だからこそ、個人的にちょっと思ったのが、ストップモーションなのに徹底的に精緻で作り込まれているが故の勿体なさ もうちょっと、ストップモーション的なハンドメイド感、良い意味での“ちゃちさ”があっても良かったのかなと だって、クオリティが凄すぎるんだもの もちろん、ストップモーション的な魅力の方が前面に出ていて、複雑な動きの奇怪さ、人体損壊をポップに描けるリアリティラインとできるあたりは強みだろうなと サリーが飛び降りて取れた手足を自分で縫い合わせているシーンなんか、ティムバートンの世界観かつストップモーションのハンドメイド感なくして成立しない演出だろうから、ここはもう本当に唯一無二だなと思わされた それに、大きな月とジャックの姿は後々のアナ雪のエルサなんかも彷彿とさせたり それに、大きな月をバックにジャックとサリーという圧倒的な画力 このパワーこそ名作の持つものだろう あと、帽子取られたサンタの頭ってそうなってたのね、と 太っちょで煙突どうすんの?感はなんか分かるけど、スルッと煙突抜けていくのはめちゃくちゃファンタジーで好き カエルの息を使ったスープとか、サンディローズ間違いとか、そういう細かいところも愛おしいし、サンタを元に戻してどうにかなりました、的な展開もストップモーションアニメだからこそ、ご都合主義含めての愛らしさ、ハロウィン村の面々の嫌悪感が生まれずに逆にそれこそ可愛い!ってなるポップさにもなっている ストップモーションアニメということを自覚して作られているところはさすがはティムバートンだなと思わされる
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