Aミンゲラ監督による『太陽がいっぱい』のリメイク作。ただし単純なリメイクではなく原作と比較すれば両作共に大きく脚色されている。
まず思ったのはキャストが豪華という事。以前観た時の印象よりずっと豪華。
中でもJロウ。一際輝いた演技で観るものを魅了する。
イタリアの美しい景色と明るくて時に哀しげな音楽がこの映画を美術品のように思わせてくれる。
ストーリーもなかなか味がある。
Mデイモンによる完全犯罪はとてもサスペンス調で楽しいし、後半になってディッキー(Jロウ)の秘密が暴かれるが、この事を恋人役のGパルトロウは知らない設定である事が、観ている側をもどかしくさせる。
全体のストーリーの底にあるそれぞれのセクシャリティが時折見え隠れするのもなかなかだった。
こんな素晴らしい作品を残したミンゲラ監督やPSホフマンがいないのは返す返すも残念でならない。