Vincent

ANON アノンのVincentのレビュー・感想・評価

ANON アノン(2018年製作の映画)
4.5
『ガタカ』『TIME』など大好きな作品を提供してくれるアンドリュー・ニコル監督作。
この監督は非常に好きなんだけど、今作も同様、期待通り😊

情報統制が極まる社会。
人々の記憶ですらデータ管理され、いつでもアクセスされ、すべての記憶データを閲覧される。
どんな犯罪行為も記憶データを閲覧する事で証拠が押さえられてしまうので、極めて安心安全な社会が形成されている。

刑事のCオーウェンはそんな記憶データを閲覧しながら軽犯罪を裁く毎日。
無機質なオフィスに無機質な自宅。自分の過去の記憶データを観て酒を飲む日々が続く。

ある日街中で、全くデータの存在しない女性を見かける👀

時を同じくして、起きる事のない殺人事件が発生。
しかも記憶データがハッキングされており、証拠無し。
予期せぬ事件の容疑者は、データの存在しない女性…ANONに向けられる…

無機質な管理社会。
無機質な会話以外、極力、音が抑えられており、淡々と物語は進む。
データ管理社会を揺るがす事件はどの様な結末を迎えるのか…

記憶データの閲覧シーンが秀逸🎬
特定の記憶にアクセスし、再生するという一連の映像が洗練されており、何度も出てくるが何度見ても良い💫

とにかく舞台設定が良いので、前半は格別に面白い。
Cオーウェンも役柄にピッタリで実に良い。

『TIME』もそうだが、設定が極めて良いので前半が抜群、後半失速のニコル監督の法則がバッチリ当てはまる。

映像や舞台設定などに注力しすぎなのか、ストーリーは後半落ちるのだ。毎回惜しいのだが、これもセットでニコルなんだろうな🧐

それでも斬新なアイデアやセンス溢れる映像は色褪せない!
すごく面白い近未来サスペンスだった
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